東アジアの移住者状況を紹介

April 6, 2017
東アジアの移住者状況を紹介

移住者が「労働力」として使い捨てられている諸国の現状など報告

母国を出て生きる労働者や移住者を支援する、アジア太平洋イエズス会会議(JCAP)の「移住ネットワーク」は3月26日、東京・千代田区のイエズス会岐部ホールでシンポジウムを開催した。


シンポジウムでは、「東アジア移住ネットワーク」のフィリピンやベトナム、台湾、インドネシア、韓国、日本、そしてカンボジアから代表者が登壇し、移住者を取り巻く各国の状況を紹介した。


アジア太平洋には1000万人以上の移住者が暮らしているが、日本をはじめとする「受け入れ国」での仕事は、ほとんどが単純労働だ。また「送り出し国」の世界上位10カ国には、中国とフィリピンが入っている。


台湾では、インドネシアやフィリピン、ベトナムからの家事労働者が働いているが、個人宅という密室の中で、雇用主から「十分な食事も居住スペースも与えられず、さらに性暴力を受ける」という人権侵害が起きている。


またインドネシアやタイ、マレーシアでは、「東アジアネットワーク」が補完するイエズス会難民サービス(JRS)が、ミャンマーからのロヒンギャ難民の支援を行っている。JRSによれば、難民たちはブローカー(仲介業者)に大金を支払って国外脱出するものの、上陸先の国で奴隷状態で働かされるという深刻な問題が起きているという。


シンポジウムでは、移住者が「人間」としてではなく「労働力」として使い捨てられているアジア諸国の現状が報告された。


また、移住者の子どもたちの教育問題についても課題は山積している。マレーシアでは、原則的に外国人労働者が母国から家族を呼び寄せることを禁止している。既に子どもが入国等していたとしても、マレーシアの公立学校への入学は認められていない。


そこで、JRSでは、不就学となった貧困層の外国籍の子どもたちの教育問題を解決するために寄付によって小学校を創設した。これに関しては、マレーシア政府も黙認しているというが、小学校卒業後は、進学先がないため、彼らの働く場所はプランテーション(大農場)というのが実情だ。


韓国では、韓国人と他国の人との国際結婚で生まれた子どもたちには、ハングルと継承語(母語)の対訳付き教科書を提供しているが、韓国人以外の外国人同士の国際結婚で生まれた子どもたちには、そうした支援はないという。


JCAP移住ネットワーク事務局(インドネシア)のコーディネーター、ベニー・ジュリアワン神父は、今後の支援についてこう語っていた。


「移住問題に関して、JCAPだけで解決するのはなかなか難しい状況です。『送り出し国』、そして『受け入れ国』の司教協議会や教会ネットワークと連携し、情報を共有して、移住者支援をしていくことが大事だと思っています」

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