ミャンマーを視察

March 17, 2017
ミャンマーを視察

パアン教区ティタモ村住民とのミーティング

カリタスジャパン(責任司教=菊地功司教)援助部会秘書の瀬戸高志神父(レデンプトール会)と事務局の横山葉子さんは2月8日から18日、支援先のミャンマー南部、タイ国境に面するモーラミャイン教区とパアン教区で各教区カリタスが実施している「人身取引対策プロジェクト」を視察し、被害者らの声を聞いて今後の課題を確認した。


カリタスジャパンが昨年2月にモーラミャイン教区を視察した際は、現地カリタスが移住労働や人身取引で被害に遭った住民の支援ニーズをつかみ始めた段階だった。


その後、半年の研修を受けたメンバーで「コミュニティーウォッチグループ」(CWG)を発足。メンバーは、コミュニティー内で人身取引に巻き込まれることを防ぐための啓発活動を担うようになり、会議や資料の共有などを通して相互の連携を強めている。



安易な話は危険


今回の視察では、六つの村を訪れ、CWGメンバーや移住労働の経験者の話を聞いた。移住労働について学び、啓発や情報提供の質を上げていきたいとの声もあった。


モーラミャイン教区ピンギ村のトゥンキーさん(仮名/20)は、16歳の時、友人に紹介され、マレーシアで溶接の仕事に就いた。父親が知人に借金をして集めた約400米ドルを交通費として納め、友人が手配したブローカー11人を通じ、6日がかりでマレーシアへ渡った。


だが、働いても紹介料を差し引くことを理由に、給与は支払われなかった。十分な食事も与えられないまま数カ月耐えたが、この仕事を紹介した友人に麻薬を勧められて帰国を決意。別の友人に携帯電話を借りて郷里の家族に助けを求め、帰国した。


トゥンキーさんは、「安易な移住労働の話」に乗ることの危険を知り、自分の経験を若者に伝えるためにCWGに参加している。「安全な移住労働制度について知識を得たい」とも話す。


またパアン教区ダニーコ ウィンパ村のラインさん(仮名/24)は、紹介機関を通じ、「ベビーシッター」としてシンガポールへ渡ったが、与えられたのは建物全体の清掃と家事全般を担う重労働だった。ミャンマーの労働法が「家事」での移住労働を認めていないため、紹介機関は「ベビーシッター」の名目での移住労働を勧めているのだ。


7カ月間、まともな食事も与えられず、外出さえ許されない状況だったが、庭掃除の時に偶然出会うことのできたミャンマー出身の知人に相談し、国際労働機関(ILO)を通じて救出され、帰国することができた。


横山さんは、移住先など近隣国との協力が不可欠になる「人身取引対策プロジェクト」ではカリタスのネットワークによる連携が強みになるとし、今後も連携を通じて働き掛けていきたいと話した。

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