『いのちへのまなざし』増補新版、刊行

March 9, 2017
『いのちへのまなざし』増補新版、刊行

増補新版『いのちへのまなざし』

「二十一世紀への司教団メッセージ」として2001年に発行された『いのちへのまなざし』に大幅な改訂が加えられた「増補新版」が、このほど刊行された。

聖書に基づいた総論的役割を果たす第一章は基本的に初版の内容を踏襲しているが、第二章以降はほぼ全面的に書き改められている。単なる部分的な差し替えではない、新たな書籍の刊行である。

初版では「揺らぐ家族」と題されていた第二章は「人生の歩みの中で」となった。誕生から死に至るまでに直面する種々の困難について、人はそれをどのように受け止め理解することができるのか、そしてそこにおいて教会はどのような役割を担えるのかが、新たな統計データ等を豊富に参照しつつ述べられている。だが、社会を過剰に分析あるいは批判するのではなく、あくまでも人間一人一人、個人の生の問題に重きが置かれている。

第三章はタイトルこそ「生と死をめぐる諸問題」のままであるが、科学技術の著しい進歩と社会や経済の変化、そしてそれに伴う諸問題の複雑化、重層化、グローバル化を踏まえ、内容は一新された。特に「いのちを脅かすもの」として「原子力発電」「格差と貧困」「差別」「戦争・暴力」といった項目を新たに取り上げることで、人間の生と、それにまつわる諸問題についての捉え方が、より多角的になっている。これこそ、この増補新版の最大の特徴だと言えよう。

しかし、全体を貫く司教団の根本姿勢は、初版と何ら変わるところがない。すべての人が与えられたいのちを十全に生きることができるように…、それが本書を世に送る司教団の切なる願いである。

カトリック中央協議会発行(500円+税)。詳細はこちらで。

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