【映画】『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』

February 10, 2017
【映画】『海は燃えている~イタリア最南端の小さな島~』

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アフリカ大陸からイタリアを目指して、多くの難民が海を渡る―。北アフリカに最も近いイタリア最南端の小さな島を舞台にしたドキュメンタリー映画は、詩情あふれる静かな景色の中で、「難民の死」はいったい誰のせいなのかと、辛辣な問いを投げ掛けてくる。


ランペドゥーサ島は人口5千5百人の小島だが、数万人の難民が漂着しては送り出される。過去20年間でこの島に上陸した難民の数はおよそ40万人。しかし、その陰で1万5千人がシチリア海峡で命を落としている。難民たちは大金を支払って小舟に乗せてもらい、7日間、飲まず食わずの旅に出る。衰弱して死ぬ者、また船の難破で水死する者など、無事に上陸できるのは奇跡的なことなのだ。


しかし、島民たちは、そうした難民たちと関わることなく、その悲劇を知ることもなく、何事もないように〝普通の日常生活〟を続けている。この事実に直面しているのは、救助艇の関係者と、島でたった一人の医師だけだ。


医師はこう語る。


「船内で死んだ子どもや母親の遺体を多すぎるほど見て、怒りがたまり、腹の中が空っぽになり、穴があく。検死で遺体は切り刻まれ、彼らは死後も冒涜を受ける。…こうした難民を救うのは人間の務めではないか」


大海は小舟では渡れない。いったい人間の大地では何が起きているのか。「無関心」という〝人類の罪と暴力〟について問題提起をした作品である。


ベルリン国際映画祭・金熊賞(グランプリ)など数々の賞を受賞。カトリック中央協議会広報推薦。2月11日より東京・渋谷Bunkamura(ブンカムラ)ル・シネマほか全国順次公開。詳細は、公式ホームページ(http://www.bitters.co.jp/umi/)。

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