ベネズエラ司教団、教皇に危機報告

June 15, 2017
ベネズエラ司教団、教皇に危機報告

政府に抗議して治安部隊と衝突し亡くなった17歳の青年のために、ベネズエラの首都カラカスで6月8日、聖母の絵を掲げ、晩の祈りをささげる人々(CNS)

【バチカン6月8日CNS】南米ベネズエラ司教協議会の会長ら司教団役員は6月8日、バチカンで教皇フランシスコと会談し、母国の危機的状況を直接報告した。司教らは会談後、教皇の助けによって同国民の苦難に国際社会からの関心が集まることを期待していると語った。


「教皇はベネズエラの状況に本当に心を動かされていました。また、あらゆることについて詳しい報告を受けました」と同司教協議会会長のディエゴ・ラファエル・パドロン・サンチェス大司教(クマナ教区)は語った。


教皇との会談後に記者団に語ったパドロン大司教は、司教らは教皇がベネズエラの状況について声を上げてくれることで、「世界が事の重大さに気付いてくれるよう」願っている、と述べた。


司教らが教皇との会談を希望したのは、ベネズエラの政治・経済危機が暴力の激化で深刻さを増している上に、同国のニコラス・マドゥロ大統領が教皇の支持を得ていると主張したため。


「司教協議会と使徒座(バチカン)の間には何の隔たりもありません」とパドロン大司教は強調した。


司教らは教皇フランシスコに、4月からの反政府抗議行動で死亡した約70人についての報告書を手渡した。死者は政府支持派と反政府派の双方から出ている。


司教らはさらに、カリタスベネズエラがまとめた報告書も教皇に手渡した。報告書では爆発的なインフレと食料や医薬品の不足による国民の切迫した窮状が示されている。


バチカンは教皇庁広報局の日報で、会談があったことは知らせているが、内容については一切明らかにしていない。



政権による「残酷な抑圧」


ベネズエラの首都カラカス教区大司教のホルヘ・ウロサ・サビノ枢機卿は会談の前日、バチカン放送のインタビューに応じ、マドゥロ政権による「抑圧」は「ますます過酷になっています」と語った。


サビノ枢機卿は、政府の治安維持部隊以外に政府支持派の市民による武装組織があり、「明らかな犯罪行為に及んでいます。それにより状況は極端に深刻で、そのため私たちがここにいるわけです」と語った。


同枢機卿によると、教皇フランシスコは同国のために公に祈りをささげるよう促しただけでなく、政治危機について対話と交渉による打開を勧め、マドゥロ政権に対しては食料と医薬品の供給を急ぐよう促すことを約束したという。


「非常に深刻な問題を政府は解決しておらず、まさにそのために人々は街頭で抗議していて、残酷にも全く異常で不必要な抑圧を受けているのです」とウロサ枢機卿はバチカン放送に語った。


マドゥロ大統領は議会の機能停止を強行したままで、憲法の改正を目指す憲法審議会を招集しようとしている。ベネズエラ司教協議会はこの動きに反対し、マドゥロ大統領は5月上旬に、司教団が交渉による解決を望む教皇フランシスコの声に耳を貸していないと主張していた。

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