【映画】『ノー・エスケープ 自由への国境』

May 18, 2017
【映画】『ノー・エスケープ 自由への国境』

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米国トランプ大統領が壁の建設を公約した米国とメキシコの国境(米墨(べいぼく)国境地帯)。その危険な砂漠地帯を舞台に、〝自由〟を求めるメキシコ移民と、彼らを執拗(しつよう)に排除しようとする米国〝愛国主義者〟との逃走劇を描く。第89回米国アカデミー賞外国語映画賞メキシコ代表作でもある。


「移民の思いを理解する主よ。生きるべく新たな地を求める者に安らかなる道を示したまえ」


メキシコ移民たちの祈りから始まった米国への旅。旧約聖書の「出エジプト記」をほうふつさせる主人公モイセスは、米国に残してきた息子に会うためにメキシコを後にした。しかし、〝自由な国〟での幸せな生活を夢見た15人の移民たちを乗せたトラックは、突然のエンジン故障で停止。わずかな水と食料だけで、15人は国境を越え、しゃく熱の砂漠地帯を歩き始めた。


ところが、彼らに魔の手が忍び寄る。自発的に〝国境警備〟にあたる一人の〝白人男性〟が、〝愛国心〟の名の下で、狩猟のように移民たちに次々と銃口を向けてきた…。


米墨国境地帯で国境警備を買って出ている人の中には、白人至上主義者のほかに、ベトナム戦争の帰還兵や退役軍人などの愛国主義者もいるという。重武装をする彼らの武器が、どのように使われているのかは、解明されていない。


作品の背景にあるのは、メキシコの治安の悪化や貧困問題。移民を狙った誘拐や越境ビジネス。さらに移民に支えられている米国の経済、また最近の白人至上主義や排外主義など、数々の社会問題が複雑に絡み合う。


一番の犠牲者は、居場所をなくした移民だろう。銃殺シーンは、目を背けたくなるほど残虐だが、「無関心」もまた、移民を黙殺する〝武器〟となっていることを忘れてはならないだろう。


東京・TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中。PG12指定。


公式ホームページ(http://desierto.asmik-ace.co.jp/

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「食べられるものとなられた方の思い」
みことばの黙想  6月18日
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