貧困地域に学校を:ボリビア

January 29, 2016
貧困地域に学校を:ボリビア
貧しい子どもたちが通う保育園
3人に1人が長期の出稼ぎ労働に従事するなど、人口(約1005万人)の70%が貧しい生活を強いられている南米ボリビア。今、子どもたちは児童労働や未就学、栄養失調など、貧困から生じる深刻な問題に直面している。こうした状況を少しでも打破しようと、ボリビアのサレジオ修道会は、「子ども救援プロジェクト」を立ち上げている。貧しい地域に授業料無償の学校を建てる取り組みに奮闘する同会の倉橋輝信神父(78)。一時帰国しているボリビア派遣38年の倉橋神父に話を聞いた。

倉橋神父が暮らすサンタクルス州サンタクルス市には、12万人のストリートチルドレン(路上生活児)がいる。親に捨てられた子どもや、両親が出稼ぎで留守の間、居候先の親戚とうまくいかずに家出した子どもなど。〝自活〟を強いられている児童があふれている。

「子どもたちは、日銭を稼ぐために信号待ちの車のフロントガラスを磨いたり、6、7歳から大地主の大農場に住み込みで働いたりしますので、学校には通えません。そこで、ボリビアのサレジオ修道会は、子どもたちを保護し、食事を提供する児童養護施設や、小さな村や大農場の近くに無償の学校を建て続けています」

学校建設には、常に〝十字架〟が伴う。建設費は1校あたり約500万円。政府からの援助はなく、また子どもたちも学費が払えないため、ボリビアで働くサレジオ修道会の外国人司祭が、おのおのの母国で資金集めに奔走する。2年前、ボリビアでは教員へのクリスマスのボーナスが義務付けられたことから、資金不足の状況はさらに厳しくなっている。

「でも困っている国で、困っている人のために働けることは、幸せなことだと思っています。貧しいからこそ、お互いに助け合うことができ、何事にも感謝することができます。ボリビアで司祭たちは、よく祈り、神のみ旨のままにと、すべてを委ねて働いています」
麻薬で空腹をまひ

倉橋神父も毎朝5時半起床で祈りから始め、そして夜10時まで働く。サンタクルス州のサンタクルス小教区(1教会と9巡回教会)で2人の司祭と共に、信徒6万5千人の司牧に当たるほか、カトリック学校4校の生徒6千4百人の霊的ケアにも努めている。

その他、同僚司祭の活動や貧しい人々への支援を行うほか、倉橋神父は、中絶されかけた子どもなど、3人の里子の生活と学費の面倒も見ている。倉橋神父の夕食は質素で、司祭服もボロボロだ。

ボリビアの貧困問題の一つは、富裕層が大農場を占有していること。貧しい人々は、小作人として低賃金で奴隷のように働くしかない。全世界で最貧国の目安となっている生活費は1人1日100円だが、ボリビアの人口の約7割がこの収入世帯に属している。

そのため、収入を得る手段として麻薬の「運び屋」をするケースが後を絶たない。受刑者の80%は「運び屋」をした貧しい人々だ。また地元では安価で麻薬が手に入る。5千人の生徒を調べたところ、空腹をまひさせるために、全体の半数に麻薬を吸った経験があったという。

これまで、日本の善意の人々や、海外邦人宣教者活動援助後援会、日本カトリック海外宣教者を支援する会らの寄付で、困窮する人々を支えてきた。そのことに、倉橋神父は深い感謝の念を表している。ボリビアでやるべき仕事はまだまだ山積している状態だ。

「私たちに、大きなことはできませんが、マザー・テレサの言葉のように『小さなことに大きな愛をもって働く』だけです。私たちの仕事が『大海の一滴』に過ぎなくても、神様が喜んでくださればそれでいいのです。目の前の人を大切にするために、毎日が真剣勝負だと思っています」

倉橋神父の連絡先は、〒160・0011東京都新宿区若葉1の22の12サレジオ修道会管区長館、電話〇九〇7716四一一一(2月25日まで日本滞在)。

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