無料休憩所「コンタツ堂」

May 19, 2017
無料休憩所「コンタツ堂」

長崎・五島列島の福江島にある、週末に利用できる小さな無料休憩所「コンタツ堂」

この春、長崎・五島列島の福江島に、週末に利用できる小さな無料休憩所「コンタツ堂」がオープンした。この地域に長く暮らしてきた赤尾スヱミさん(73/浦頭教会)と家族が自宅兼店舗だった建物に古家具などを運び込んで手作りしたもの。「祈りに守られてきたものを大切にしたい」という家族の願いが込められているという。 


T字路に面した「コンタツ堂」。正面に続く道の先に築100年以上の堂崎天主堂があり、見上げればノアの箱舟をモチーフにした浦頭教会がすぐ目の前という巡礼者にはうれしい立地だ。


「今年の復活祭(4月16日)に始めたばかりで、今は口コミや『コンタツ堂』のフェイスブック(インターネット上のコミュニケーションサービス)ページを見た人が来ているようです」とスヱミさん。


建物は、以前は自宅で、スヱミさんが営んでいた「赤尾酒店」の店舗も兼ねた間口の広い木造建築だ。訪れた人たちは、使い込まれた木の棚などが目を引く落ち着いた空間で、お茶を飲んだり、スタッフとおしゃべりしたりしてゆっくりしていく。



見知らぬ人でも


休憩所を開いたきっかけは、今年3月、20年余り前に店を閉め、数年前からは空き家にしていた建物を、立地を生かして五島を旅する人や、地域の人がくつろげる場にできないかという次男の城司さん(49)の投げ掛けだった。


家族の思いは一致し、スヱミさん夫妻と6人の息子・娘とおいの9人で運営することになった。資金的な余裕はないため、「ある物を生かし、できる範囲で」準備し、休憩所には、家にあった年代ものの棚や机、教会から譲り受けた昔の会衆席を運び込んだ。


大工仕事が好きなスヱミさんの夫の常弘さん(73)や、小物作りや絵が得意な子どもらがそれぞれの腕を生かし、図書コーナーや、手編みのロザリオ、ストラップやキリスト教関連書籍の販売コーナーを置いた。看板は、古い引き出しの木の板で作った。 


ブラジル宣教で知られる五島出身の中村長八神父(1865~1940)を紹介する場所が地元になかったため、中村神父のコーナーも設けた。


自分にとって、「人を迎えるのは、普通のこと」だとスヱミさんは言う。「五島の山奥」に住んでいた子どもの頃から、見知らぬ旅人であっても、訪れた人を家に迎え入れる親の姿を見てきた。


家庭を持ってからは、兄の﨑濱宏美神父(コンベンツアル聖フランシスコ修道会)など、司祭らの紹介で、数十人単位で訪れる巡礼者らに郷土菓子の“ふくれもち”を作り、歓待してきた。


長男の赤尾満治神父(同会)ら遠方に住む子どもたちの協力もあってできたこの場所に「イエス様をお迎えする気持ちで訪れる人を迎えたい」とスヱミさんは言う。


「コンタツ」というロザリオを意味するキリシタン時代からの言葉を休憩所の名にしたのは、「たくさんの祈りで守られ、大切にされてきたものを大事にしていきたい」という家族みんなの願いから。


「『コンタツばせんば』(ロザリオの祈りをしなさい)って、よくばあちゃんが言っていました」と城司さん。長女の百合枝さん(48)は、この休憩所が「たくさんの方に愛される場所」になることを願っているという。


【コンタツ堂】 
土曜・日曜の午前9時から午後4時まで利用可。
所在地=長崎県五島市平蔵町2462の5


フェイスブックページ(https://www.facebook.com/resthousecontas/

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